くみた柑のオキラクニッキ

時々オキラク、時々マジメ。基本オキラクだけど、人生ってきっと厳しい。

揉めなくてもめんどかった遺産相続(1)

来月で母が亡くなってから一年経ちます。早いものです。

当初、もっと早くに終わると思っていた遺産相続手続きですが、予想外のことが起こり、ずいぶん長い時間がかかってしまいました。

ちょっと特殊な例だったので、ここに備忘録として上澄みだけ書き記しておこうと思います。

なぜ上澄みかと言うと、母が亡くなってからびっくりするくらいいろいろなことが起こって、さすがに個人情報もあるので全部は書けないなぁと判断したからです。

母は認知症になって十年くらい経ち、家族のことはすっかり忘れてしまいましたが、それでも生きていてくれただけで、いろいろなものを繋ぎ止めていたんだなって。

母が繋ぎ止めていたものが次々に散っていく様(さま)に驚きました。

事実は小説より奇なりとはよく言ったものです。

と、前置きはこのくらいにして。

遺産相続ってドラマとかだと、親族がめっちゃ揉めてドロドロな骨肉の争いとか殺人事件が起きたりしますけど、それは何億円の遺産とかそういうめっちゃお金持ちの場合で、我が家は相続税すらかからないくらいの金額だったので、今、兄が住んでいる実家は兄に名義変更し(兄の財産)、残りの金融資産は兄弟仲良く三等分しようねってあっさりと決まりました。

まず、何もわからない状態だったので、私が無料の弁護士相談に行って、話を聞いてきました。

母の遺産はとてもシンプルで、今兄が住んでいる借地一戸建てと、ゆうちょの預金&かんぽ生命だけで、ゆうちょは自分たちでも手続きできるけれど、家の名義変更だけは、素人では無理ということで、司法書士さんにお願いすることにしました。

姉、兄、私の三人で、司法書士事務所に相談に行き、家の名義変更と、それに使う遺産分割協議書の作成をお願いして「うちらは遺産で揉めることもないし、すんなり終わりそうだねー」なんて話しながら、その日は別れました。

そして数日後。

兄から電話がありました。

「大変なことになった!司法書士さんから電話があって、どうやら相続人がもう一人いるらしい!

はいいいぃ!?

相続の手続きって、何にしても、母(被相続人)が生まれてから死ぬまでの戸籍謄本を全部取り寄せて、他に相続人がいないか調べるんですね。それを司法書士さんがやってくれたのですが……そこで見つかったわけですよ……母の子どもがもう一人……。

つまり、母、私達の父とは、再婚だったわけですね!

もうびっくりですよ!

生前、母からそんな話、誰も聞いたことがなかったので。

てゆか、私達に隠していたとしても、認知症になりかけの頃とか、ぽろっと言っちゃってもおかしくないと思うんですけど、本当に母はそのことを忘れてしまっていたのではないかと思うくらい、それらしいことは一言も話さなかったんです。

ただ、母は若くして、田舎からたった一人で東京に上京してきたので、まぁ、何かあったんだろうなぁとは、薄ぼんやりと思っていましたけど。

母はきっと「このことは子どもたちには話さずお墓まで持っていこう」と思っていたのでしょうが。

私達は、その、たった今知った、まだ見ぬ兄弟と連絡を取り、相続手続きのお願いをしないといけなくなったのです!

はい!

今日のブログのポイントはここです!

どれだけ秘密にしてても、死んじゃったらバレます!

そんで、子どもたちめっちゃびっくりするから、折をみて話しておいてね!

あと、もうひとつ!

『私達三人に遺産を相続する』っていう遺言書を作っておけば!

そのもうひとりの相続人に連絡する必要がなくなるのです!!

今このブログを読んで「あっ……」って思っているそこのお父様お母様!

元気なうちに、せめて遺言書!遺言書を作っておいてください!!

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【追記】

「4人目の相続人の方にも遺留分があって本人が協議書で放棄されなければ相続財産の八分の一は遺言書があっても貰う権利がおありだったのでは」というコメントをいただきました。

そのあたりの話は、相談の中で司法書士さんからちらっと聞いただけで全く詳しくないので、遺言書を作る場合は良く弁護士さんや司法書士さんと相談してみてください。

【参考ページ】下の方にそのあたりのことが書いてあります。

▶離婚した後の配偶者・子供の相続権|相続弁護士カフェ

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だって、私達も相当びっくりしましたが、もうひとりの相続人からしたら、ある日突然、知らない人から手紙が来て、そこにあなたの本当の母は実はこの人で、その人亡くなりましたって書いてあるわけですよ!もし、全くその事実を知らされていなかった場合、初めて自分には育ての親の他に産みの親がいると知るわけですよ!

母が離婚した時、まだその人は小さかったので、母のことを知らされていない可能性もあるのです。

私達以上の衝撃だと思うんですよ……。

そんなわけで、司法書士さんから「これは難しいケースです」とか言われちゃうし、ここからめっちゃ大変になるわけですが、気づけばなんだか長くなってしまったので、続きはまた後日!

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