私が高校を卒業した頃に両親が離婚して、それ以来会っていなかった父が認知症になったらしい。
先日、司法書士事務所から封書が届いた。
成年後見制度利用申立書の作成を父から頼まれたとのこと。
『親族の意見書』という書類を書いて、送り返すようだ。
つまり「父の成年後見人になってもよい？」的な書類。
成年後見人とは、「成年後見制度」に基づき、認知症など判断能力が不十分な人の代わりに法定権利を担う人。 本人の代わりに、必要な契約の締結や、財産の管理をする。
母が認知症になったときに、ほんのりと調べた程度の認識。
私のところにこの書類がきた、ということは、姉と兄のとこにもきてるかな？とLINEで確認。
LINEを送ったら速攻兄から電話がきた。
なんと、すでに兄は電話で、司法書士さんに凸してた！
書類では、父から依頼を受けた的な文面だったのだけど、兄からの情報によると、父はすでに認知症がだいぶ進んでいるようだ。
兄がいろいろ電話で話したみたいだけど、兄からの情報をまとめると、
「父の認知症はだいぶ進んでいるらしい」
「資産はけっこうあるらしい」
「国のなんとかっていう制度を使ってもいいかと聞かれた」
おーい！ 全部ふんわりしてるじゃないか！
「国のなんとか」って制度の名前、せめてメモろうよ……調べようがないじゃないか……。
ってゆか、口頭だと言った言わないが起こるし、文面で残ったほうが安心なので、私がメールで事情をきくよということになった。
母の遺産相続のときも、兄の単独プレー＆聞き間違い多数で痛い目をみているからね……。
母の遺産相続のお話は、こちらにまとめているのでリンク貼っておきます。
父とはもう何も関わりたくないと思っているので、父のことを頼める人ができることはありがたいのだけれど、成年後見制度には良い印象を持っていなくて、ほんのりとしか知らないので調べることにした。
調べてみると、成年後見人になった身内がお金を使い込んでしまったり、家族以外の人が後見人になったら自由にお金を使えなくなってしまったり、というような話がたくさん出てきた。身内ほど多くはないけれど、弁護士や司法書士といった肩書の人が後見人になっても、不正にお金を使い込むケースがやはりあるらしい。
ぶっちゃけ私は、父とはもう一切関わりたくないので、最悪、この司法書士さんが悪い人で、資産を使い込まれて相続するものがゼロになったとしても、はなから父はもういないものとして生きていたので関係ない。私の知らないところで好きに生きて、人生を閉じてほしいと思っている。
自分で言ってて冷たいな、と思うけれど、これが私の本心だ。
それだけのことを父はしてきたのだ。
その部分は、確認してみたら、姉も兄も同じ気持ちだった。
父が亡くなったときには連絡が来るのだろうと思っていたけれど、こんな形で父の現状を知るとは思わなかった。
ただ、認知症がだいぶ進んでいるのならば、どのようにしてこの司法書士さんにお話がいったのか。恐らく判断能力はもうないはずなのに。
この司法書士事務所を調べてみても、あまりに情報が少なくてわからないので、なんだか気持ち悪い。
とにかくわからないことだらけだったので、父の現状を教えてほしい旨をメールに書いた。
早々に返信がきた。
父の認知症は軽度で、まだ判断能力があるという。
いきなり、兄の情報と違っていて、おーい！と叫んだ。
父はケアハウスで元気に暮らしているらしく、貯蓄も年金もあるから今後の生活に問題はないという。
万が一資産が尽きて、司法書士さん（後見人）への報酬が払えなくなっても、区が払ってくれるとのこと。
ちなみに、兄が言ってた「国のなんとかっていう制度」は、なんてことない、成年後見制度のことだった……っていうか、その手紙が来たことが発端だろうに！
そのあときょうだいでいろいろ話し合って、電話したり、LINEしたり、いろいろ調べたり、電話したり、LINEしたり、特に今回は姉がいろんなことが不安だったみたいで、そこの説明とかやりとりがめっちゃしんどかった……。
姉は、何か私たちは騙されているんじゃないかということも言っていたけれど、父が誰かに悪知恵を吹き込まれたとして（離婚前は、父にそういう友人がいて母を苦しめていた）「子どもたちに遺産は渡さない」という遺言書を残すくらいじゃないかなとは思うんだけど。
そうだとしても、それでかまわないし。
後見人を司法書士さんにお願いしたら、そもそも私達には何も手出しができなくなるわけで。一日も早く、父のことで悩む日々から開放されたい。
父の名前を見るだけで苦しくなるのに、ここ数日、ずっと父のことでいろいろ調べて考えて、精神的にしんどすぎる。
久しぶりに凄いストレスまみれになって、唇痛いなと思ったら口唇ヘルペスができていた……悲しみ。
