くみた柑のオキラクニッキ

時々オキラク、時々マジメ。基本オキラクだけど、人生ってきっと厳しい。

バケモノの子の感想【ネタバレ有り】

まずはじめに、私的に細田作品は、制作順に満足度が下がっていることをお伝えしておきます。

つまり、バケモノの子は一番満足度が低かったです。

とはいえ、映像は綺麗でしたし、面白かったし泣きました。

でもそれ以上にモヤッとした部分が多くて、観終わったあと「あれ?」って感じでした。

周りにいた若い子たちは「泣いたー」「面白かったねー」という感想を呟きながら席を立っていたので、もしかしたらただ私に合わなかっただけかもしれないけれど。

さて、ここからはネタバレ全開でいきます。

まだ観てない人と、批判的な内容を見たくない人はそっと閉じてくださいね。

九太が一郎彦に言った「俺たちはバケモノの子」って言葉は、人間の方が実はバケモノだよね。ってことを言いたいんだろうなってことはわかったし、その言葉は好きだった。

熊徹と九太の絡みは可愛かったし楽しかった。熊徹のキャラはほんと好き♪なので、中盤はとても楽しめた。

ちなみに泣いたところは、熊徹が剣になって九太の胸に入る時。熊徹のセリフとともに、あの場面は好き♪

で、私は一体、何にモヤっとしてるんだろうと、映画を思い出しながら気付いた、そんな部分をつらつら書いてみたいと思います。もしかしたら二度目観たらわかる部分もあるのかなぁ。と思いつつ、もう一度積極的に観たいか、といわれるとそこまででもないかな……というのが正直なところで。

○九太と一郎彦の関係性の希薄

一郎彦の闇が唐突すぎた感が否めないのもひとつあるけど、最後の2人の対決。九太は自分に一郎彦の闇を取り込んで、自分ごと消滅させようと考えてたけど、なんかこう、そこまでして止めたい関係? 間柄? に思えなくて。この2人を最後に対決させるのであれば、もう少し幼年期からの二人の絡みを見せてほしかった。

例えばこれが一郎彦でなく、次郎丸だったら、自分の命を懸けてまで彼の闇化を止めたい、という動機につながるのだけれど……。

○なぜ人間界で暴れたか

初めの方で、人間は心に闇を宿すから、バケモノの世界に連れてくるな的に、バケモノにとって人間は厄介な存在的な伏線貼ってるんだから、人間2人が大暴れするのはバケモノの世界の方がよかったんじゃない?的な。人間界で暴れる意味がわからない。

(危機的状況にヒロイン(人間)絡めたかったから人間界?とか思ってしまったり……)

○ヒロイン、いらなかったんじゃ……

途中で唐突に人間のヒロイン現れましたが、ボーイミーツガールとしては弱いし(まぁ、そこを狙って出したのではないのでしょうけど)、バケモノの世界での熊徹と九太のからみが楽しかっただけに、急に人間界のリアルに引き戻されて気持ちが冷めてしまったのと、あと、人間の女の子がいきなりあんなクジラのバケモノ見て、普通なら恐怖で足すくむくらいだと思うけど、なんか急にくじらに説教はじめちゃうし、こう、唐突というか……唐突といえば、九太のお父さんの存在もなんか中途半端で……

親子の絆を描きたかったんなら、ボーイミーツガールは省いてもよかったんじゃ、と思った。

最後の「お呼ばれしちゃった♪」も自分的には「は?」て感じだった。

○あと細かいところいろいろ

・なんで九太も一郎彦も「くじら」にこだわったんだろう……?

 くじらに何か意味があるの?

 

・一郎彦は人間なのに、なんで神通力使えるの?

・初めに張った伏線的に、てっきり最後は九太自身の心の闇と戦うと思ってた

 (ウィンドウに映った自分の小さいころの闇が、なぜ一郎彦につながったの?)

 

・熊徹だけカウント10待ってもらってズルイw

○落ち着いて考えて、一応納得したところ

・人間界であれだけ暴れて死者がでないってどゆこと?

 →防犯カメラには一郎彦しか映ってなかった。つまりくじらは幻影てことか。実際はちょっとした追突事故くらいだったのか?、と一応自分的に納得した

 (だからこそバケモノ界で暴れた方が盛り上がったんじゃ、とか思った)

あとまだ何かあった気がしたけど、とりあえず思い出したものだけ。

なんかクライマックス、映像は凄いんだけど、心が追い付かないことが多くて。

もう少ししたら、誰かが細かい考察とかしてくれるかな。そしたら納得できる部分も増えるのかな。

辛口になってしまってすみません;

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2015/08/25追加

ずっとモヤモヤしてたのって、一郎彦の扱いだ!

一郎彦は重要な人物のわりに、描写が少ないなぁと感じていました。

そして一郎彦は全然救われてないんだよね…。

下記の考察を読んで、やっとスッキリしました。

他にも、自分と同じ感想ばかりでした。

 ↓

細田守監督作「バケモノの子」感想と考察と妄想。(ネタバレ有)